国際離婚ケース2 アメリカで結婚し日本にいる日本人夫婦が離婚したいケース

ImgTop1.jpg  

事案の概要

日本人のAさん(女性)は、アメリカ滞在中、ニューヨーク州で、日本人のBさん(男性)と、ニューヨーク州の方式で結婚し、結婚証明書をもらいました。しかし、日本の大使館には届けておらず、日本の戸籍上は、Aさんも、Bさんも独身のままです。
 

Aさん夫婦は、その後日本に帰国したのですが、その後夫婦関係がうまくいかないため、Aさんは、Bさんと離婚して他の男性と結婚することを希望しています。
そして、戸籍上二人とも独身なので、今後のことを考え、戸籍をきれいなままにしておくことを希望しています。この場合、公正証書で金銭関係について合意しておけば、離婚手続自体はしなくてよいのでしょうか
 

 

回答

日本法上、婚姻は、日本の市役所、区役所などに届け出ることにより、初めて効力が発生し、このような届出のことを創設的届出といいます。しかし、日本人同士が、外国において、外国法(挙行地の法律)に従った方式で婚姻することもできます(法の適用に関する通則法24条2項)。ただ、この場合、当事者は、3ヶ月以内に、その国の日本の在外公館(大使、公使、領事)に結婚証明書の謄本を提出する義務があります(戸籍法41条)。この場合、在外公館は結婚証明書の謄本を日本の本籍役場に送付し、戸籍に婚姻の事実が記載されます。
 
しかし、このケースでは、上記の戸籍法41条に基づく届出をしていなかった在外公館に対する届出を怠っていたため、日本の戸籍上、2人の戸籍上、婚姻の事実が記載されていなかったことになります。この場合、2人は、日本法上婚姻していることになるのでしょうか。婚姻しているとすると、戸籍上婚姻の事実が記載されていなくても、2人が他の人と結婚することは、重婚ということになり、2年以下の懲役刑がある刑法上の犯罪となってしまいます。
 
この点については、日本法上、2人の婚姻は、外国法(挙行地の法律)に従った方式で婚姻することが認められており、婚姻自体は、挙行地の法律に従った方式を経た時点で成立しており、結婚証明書の謄本を在外公館に提出する行為は、単なる報告にすぎないのです。このような届出のことを報告的届出といいます。この届出は、前に述べた届出により婚姻の効力が生ずる創設的届出とは届出の性質が異なっているのです。
 
以上のように、このまま2人が、他の人と結婚することは犯罪となってしまうので、そのためには、離婚する必要があります。日本で離婚するためには、協議離婚の場合には、市役所等に届け出る必要があり、戸籍上婚姻の事実が記載されていない以上、戸籍法41条による届出をして、婚姻の事実が記載された後に離婚すべきことになり、このことは、調停離婚等の他の方法による場合も同様と考えられます。この点、日本ではなくニューヨーク州において離婚手続を行うことも考えられます。その際、ニューヨーク州では、協議離婚は認められていないこと、また、ニューヨーク州での離婚手続が成立した場合でも日本の戸籍法上の届出義務を怠っていることには変わりないので、戸籍法上の罰則の適用を受ける可能性があることについて留意が必要です。

当事務所では、このようなケースについても、現地の法律を参照した上、最小限の労力で離婚が成立するようにアドバイスいたします。


 

キャストにご相談いただく方へ

■ご相談の流れ
お客様の声
国際離婚の費用
■弁護士紹介
■事務所紹介
■お問合せ
■アクセスマップ


 

国際離婚・国際相続についてお悩みの方は弁護士法人キャストへ

国際離婚のご相談